「『ルミがリカを待っている』というシーンに殴られた」。主人公のリカは先輩のルミに誘われて修学旅行に参加するが、そこから繰り広げられる物語はただの青春ものではない。『淀む暗雲と真夜中の夢うつつ』は、プレイヤーに独特の体験を提供する同人ゲームだ。
ゲーム性とボリューム
本作は、プレイヤーが主人公のリカとなり、修学旅行中の様々な出来事を体験しながらストーリーを進めていくアドベンチャーゲームだ。選択肢によって物語の展開が変わる仕組みがあり、これがリプレイ性を高めている。特に先輩のルミとの関係がどのように発展するのかは、プレイヤーの選択次第だ。ゲームのボリュームは適度に感じられ、ストーリーを追いかけるのにちょうど良い長さにまとまっている。プレイ時間のバランスも良く、詰め込みすぎず、かつ淡々と進めることができる。これによりストーリーの余韻を楽しむことができ、プレイヤーが物語に没入しやすくなっている。
手に取る価値がある人
この作品は特に、青春や人間関係の微妙な距離感に魅力を感じるプレイヤーに刺さる内容だと思う。修学旅行という特別なシチュエーションを舞台に、リアルな感情の揺れ動きが描かれているため、思春期の頃の体験を思い起こさせる。逆に、ストレートな展開や分かりやすいストーリーを好む人には、少々取っ付きにくいかもしれない。また、物語の中には不穏な要素も含まれており、そうした部分に対して心構えが無いと驚くことになるだろう。特にスカトロ要素が含まれているため、そのジャンルに抵抗がある方には不向きだが、逆にその要素を受け入れられるならば、非常に深い体験が得られるだろう。
そういう作品。