同人RPGの中でも特殊な立ち位置を誇る「メルティボイスダウン~色情霊に堕とされる退魔師~」。悪霊の囁きに翻弄される退魔師の物語は、幻想的な世界観とともに、プレイヤーを深い没入感で包み込む。バイノーラルボイスの導入がこの作品の大きな魅力となっており、耳元でささやく悪霊の声がプレイヤーを虜にしてしまうのだ。
プレイの感触
まず本作のプレイ感触は、従来のRPGとは全く異なる体験を提供してくれる。バイノーラルボイスを駆使した演出が、まるで自分が退魔師になったかのような臨場感を生み出している。悪霊たちとの戦闘や交渉のシーンでは、音声によるリアルな体験がプレイヤーの緊張感を高め、思わず息を呑んでしまうことも。特に逆転無しのM向け要素が強調されているため、抵抗感のあるプレイヤーにはやや辛い部分もあるかもしれないが、逆にそれがこの作品を求める人たちには刺激的に映るのだろう。そして、豊富なシナリオがプレイヤーを引き込む要素として機能しており、各国の悪霊との対峙が進むにつれて物語の深みが増していく。進行不能やバランスの問題も修正されたとのことで、安心してプレイに没頭できるのも嬉しいポイントだ。
おすすめしたい層
この作品は、少し背徳感を味わいたい人に特におすすめしたい。退魔師という正義の側に立ちながらも、悪霊たちに堕とされていくという設定は、心理的な葛藤を楽しむプレイヤーに刺さる。バイノーラルボイスを利用した音響表現は、通常のRPGでは味わえない没入体験を提供しており、オーディオ作品に興味がある人にもハマる要素があるだろう。逆転無しのM向けRPGとして、これまでの同ジャンルの作品に飽きた人や新たな刺激を求める読者には間違いなくクるはずだ。このサークルの持ち味を生かした作品は、まさに退魔師というキャラクターに全振りした一作。プレイしながらその世界観に没頭し、悪霊との関係性に心を揺さぶられることを期待したい。
つまりそういう作品。