街の静けさが包み込む午後、何度も繰り返される終業式の日。主人公の心に潜むナルコレプシーの影が、記憶を引き継ぐ運命の一日を演出する。サスペンスとファンタジーが交錯する「Re;quartz」は、そんな不条理な世界で繰り広げられる物語だ。全編フルボイスのBLゲームは、プレイヤーを深い体験へと引き込んでいく。
ゲーム性とボリューム
本作は、1周目の行動が2周目の選択肢に影響を与える独特なシステムを採用している。記憶をリセットしながらも、過去の選択肢が新たな道を開くという仕掛けは、プレイするたびに新しい発見がある。私自身、1周目をクリアしたときに感じたのは、まるでパズルを解くような楽しさだった。行動次第で物語が変わるので、プレイヤーの選択が非常に重要だと実感した。
周回プレイが前提なため、ED数は20に及び、スチルも30枚以上用意されている。ボリューム面でも満足感が得られるだろう。特に気になったのは、ストーリーの緻密さとキャラクターの深みだ。それぞれのキャラに思い入れが生まれ、感情移入が進む。サスペンスやミステリーの要素がしっかりと組み込まれ、ただの恋愛劇ではない厚みがある。
手に取る価値がある人
この作品は、サスペンスやシリアスな物語が好きな人に特に刺さると思う。バイオレンスやファンタジーの要素が巧みに織り交ぜられ、緊張感が持続する。私は、そういった要素があることで物語がより引き立つと感じた。また、総受けのキャラクターたちがどのように運命に立ち向かうのか描かれており、BL好きにはたまらない仕上がりだ。
さらに、全編フルボイスでキャラクターたちの魅力がより際立つ。声優陣の演技がしっかりとキャラクターの個性を表現しており、リアリティを感じる。特に、物語の各シーンでの声の発し方が、選択肢によって変わるのが新鮮だった。こうした細やかな配慮が、より深く物語に没入できる要因だと思う。
そういう作品。