「俺の好きは同じ男として頑張っての好きー…」と、公式キャッチが語るこの作品は、ストーカーアイドルと限界オタクの健全なBL。一般的にはストーカー的な要素は避けられがちだが、逆にその歪さが魅力を増す形になっている。読者の心にブッ刺さる要素が詰まった本作は、少しの斜め上の視点で楽しむことができる。
見どころ
本作の最大の魅力は、ストーカーアイドルと限界オタクという異色のカップリングだ。一般的な恋愛漫画では描かれないような、歪んだ愛情が成立しているのが印象的。ストーカーという設定からくる緊張感と、限界オタクの必死さが絡み合って、まさに胸が苦しくなるような展開が魅力的。また、公式キャッチにもある「2021年版いちゃいちゃ描きおろしページ」では、その緊張感に少しの和みを加えたシーンが楽しめる。コマ運びや構図が見事で、キャラクター同士の関係性が生々しく感じられる。特に、キャラクターの心情が丁寧に描かれており、読んでいるといつの間にかその世界に引き込まれていることに気付くはずだ。
こんな読者に刺さる
本作は、ストーカーやオタクといった要素が苦手な人こそ手に取ってほしい作品だ。これまでの常識を覆す視点から、愛の形を楽しむことができる。ストーカー要素を嫌う読者は多いが、逆にその辺りを突き詰めた深い描写が、この作品にはある。このサークルの持ち味である、独特の視点から描かれたキャラクターの心理描写を楽しむことで、普段はスルーしてしまうような作品の魅力を再発見できるかもしれない。BLが好きな人、特にキャラクター同士の関係に深く浸ろうとしている読者には、間違いなく響くはずだ。
読後には、心に残る余韻だけが、しばらく残る。